2018年6月13日水曜日
NO 199 汲出し茶碗ってこんなの
汲出しは、寄付で出される飲み物です。
湯呑み茶碗の中でも、口径よりも高さが低いものを、
「汲出し湯呑」または「汲出し茶碗(汲出し)」と言うそうで、
円筒形で縦長のものを「長湯呑」ということもあるようです。
汲出に入れるのは、白湯(さゆ)のほかに、桜湯・九重・香煎などがあるみたいですが、
ここでは、桜湯・九重・香煎の説明をしようかと思います。
桜湯(さくらゆ)は、塩漬けにしたサクラの花を湯に入れたもので、
がくを除いた花全体を梅酢と塩で漬け込むのだそうです。
神奈川県秦野市千村では江戸時代末期から生産を始め、
五分咲き程度の八重桜の晩生種関山を用いて、毎年4月中旬頃から加工しているようです。
九重(ここのえ)は、仙台の菓子屋、九重本舗玉澤が製造販売する和菓子の飲料だそうです。
九重本舗玉澤は、江戸時代に国分町に店を構え、仙台藩の御用菓子司だったようです。
九重は、細かなあられ球の粒々に、柚子・ぶどう・緑茶の風味をつけた糖衣を絡めたもので、
袋から粒々を取り出し器に入れた後にお湯または水を注ぐと、
糖衣が溶けて水に美しい色をつけ、あられが浮かびあがってくるみたいです。
香煎は、米または麦類を炒ってから粉末にしたもので、「こがし」ともいうそうです。
オオムギを原料とした麦こがし、俗に「はったい粉」と呼ばれるみたいです。
もち米でつくる小さいあられのことも香煎というようです。
大唐米(だいとうまい:イネの一品種で赤ばんだ米)を主材料に、
陳皮・サンショウ・ハトムギ・ウイキョウなどをあわせた香煎は、
江戸時代以前からあり、湯を注いで飲用していたとか。
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