2018年6月6日水曜日

NO 169 帛紗を腰につけるってこんなの



帛紗は、点前の場合、亭主が茶器や茶杓を拭くのに用いる、

方形の布だそうです。



八つ折にして懐中し、茶席に入る前に腰に着けるようです。



大きさは八寸八分×九寸三分(曲尺)が利休形とされるとか。



仕立て方は、三方縫いで、縫い目のない折りめの一辺を「わさ」というそうです。



帛紗の色は、表千家は、男性は紫、女性は朱(緋)、

裏千家は、男性は紫、女性は赤、

武者小路千家は、男性は紫、女性は朱、

をそれぞれ用いるそうです。





■帛紗の扱い

帛紗の扱いは、流派により異なるみたいで、

三千家のたたみ方一つみても、

表千家は、縫い目のない「わさ」を「左」にして、

人差し指と親指で帛紗の上の両角を持って広げるのに対し、

裏千家・武者小路千家は、縫い目のない「わさ」を「右」にして、

人差し指と親指で帛紗の上の両角を持って広げる、

といった具合に、差があるようです。





■使い帛紗と出帛紗(出し帛紗)

帛紗には、使い帛紗と出帛紗があるようで、

使い帛紗は、点前のときに、茶器や茶杓を拭き清め、

釜の蓋などの熱いものを取り扱う時に使い、

出帛紗は濃茶のとき茶碗に添えて出す帛紗だそうです。



裏千家では出帛紗には、

主に古帛紗(寸法が5寸2分×5寸で出帛紗より小さい)を使うようです。



用いる裂地は、使い帛紗の場合、主に塩瀬(畝のある羽二重)だそうで、

出帛紗の場合は、名物裂などみたいです。





■帛紗の寸法

帛紗の寸法は、千利休の妻・宗恩の作意によるものだそうです。



『逢源斎書』に

「ふくさきぬの事、

 休、被成候も、ちいさく角をこし二つけ申候、

 小田原陣二休御越之時、そうおん、ふくさきぬ大キぬい候て、

 薬つゝミニと御申候て被進候、

 休、御らん候て、此かつかう一段よく候、

 これよりも此様二ふくさきぬハいたし候へと御申候、

 ふくさ物と申事あしく候、

 ふくさきぬよく候 大キサ十七め、十九め尤二候」

とあるようです。



『不白斎聞書』に

「寸法は畳の目十九ト貮拾壹目也、

 此寸法は利休妻宗音より、利休戦場江御供之時、

 服紗に薬を包被贈、此ふくさ寸法能候、

 今日より是を可用とて、此寸法に極候也」

とあるみたいです。



また、三千家申合せで帛紗の寸法を定めたようです。



木津松斎の『一啜斎の聞書』に

「一 色は紅・黄・紫三色なり。

 近年一啜斎にて、栗かわ茶出来申候。

 紅は十五歳巳下と、古稀以上の人用ゆるなり。

 寸法ハ九寸五分ニ八寸五分なり。

 是ハ真伯時代ニ、三家共申合、此寸法ニ極め、

 其時より一文字屋三右衛門方ニ而申付る。

 則ふくさ上つつみの紙の書付ハ、如心斎筆跡なり。

 右寸法相極候より前ハ、少し大きく而、

 とくときまりし事も無之由に御座候。

 濃茶之節、茶碗江ふくさを添而出し候事ハ、

 茶碗あつき斗ニあらず。

 本焼の茶碗をおもんじての事なり。

 依而楽茶碗ハ草なるもの故に、

 ふくさハ添不申候。楽ハわびもの故、草なり。」

とあるそうです。

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