2018年6月13日水曜日
NO 197 燗鍋と盃と盃台ってこんなの
燗鍋(かんなべ)は、茶事にだされる懐石に用いる道具で、
酒を入れて杯につぐための、
注ぎ口と持ち手のある蓋付の器のことだそうです。
燗鍋は、古田織部が、
席上において用いるようになったのが最初みたいです。
それ以前には塗物の「酒次(さけつぎ)」を用いたようです。
現在は別の容器で燗をした酒を燗鍋に移して用いるのだとか。
燗鍋は、「銚子」とか「銚子鍋(ちょうしなべ)」とも言うそうです。
銚子の「銚」は「鍋」のことだとか。
茶事に用いる酒器としては、他に「引盃」「盃台」「徳利」「石盃」などがあるそうです。
燗鍋は、古くは「さしなべ」「さすなべ」ともいったそうで、
注ぎ口のある鍋に弦(つる)をつけ、湯を沸かしたり酒を温めるのに用いたみたいです。
燗鍋の材料としては、金属製のほかに、
古染付・新渡染付・古九谷・志野・織部・古清水・御菩薩などの
塗物や陶磁器のものもあるようです。
釜師の手になるものが多く、一般的には丸形・角形・阿古陀形なのですが、
富士形・鶴首・車軸・四方・平丸など釜の形に倣い、
そこに口と手を付けたもの、
舟形・七宝形・竹節形など種々の器形を型どった珍しいものも作られているそうです。
釜のように霰・浪・雷紋・糸目・七宝などの地紋のあるものも多くあるのだとか。
燗鍋(銚子)の蓋は、共蓋で、青磁・染付・色絵・祥瑞・織部・志野などが用いられるようです。
中には、香炉の蓋、茶器の蓋、香合の蓋などを利用し、
それらの蓋に合わせて燗鍋(銚子)を作らせたものもあるようです。
やがて、柄のついた銚子ができると、
弦をつけたものは「提子(ひさげ)」と呼ばればれすようになり、
長柄の銚子が式正の器とされるようになると、
提子は銚子に酒の減った時に注ぎ加えるのに用いるものとなったそうです。
江戸後期には徳利が流行し、のちには徳利をも銚子と通称するようになるのだとか。
江戸時代の文献『貞守漫稿』に
「江戸近年式正にのみ銚子を用ひ、略には燗徳利を用ふ」
とあるそうです。
また、同じく『貞守漫稿』に
「式正にも初めの間銚子を用ひ、一順或は三献等の後は専ら徳利を用ふ」
ともあるそうです。
■盃台
盃台(さかずきだい)は、茶事にだされる懐石に用いる、
引盃を載せる台のことみたいです。
連客の数だけの引盃を積み重ねて載せ、
銚子と共に席中に持ち出すようです。
盃一枚用の場合もあるとか。
これは、亭主が持ち出す別盃や、
珍盃を載せて出すものみたいですが、
あまり使われることはなそうです。
大小複数の盃を一組にした盃を、
組盃(重ね盃)というようです。
一般的なものは三枚一組の三ツ組盃で、
盃台が付けられている場合が多いとか。
■盃台の形状
盃台は、形状は円形で高台が付き、
天目台に似ているそうですが、
高台には底があり、酸漿はごく低いことも、
全然ないこともあるとか。
高台内に底があるのは、
引盃の一番上に水を入れる向きがあり、
最後にそれを入れたり、
酒の「したみ」を入れるためだそうです。
■盃台の材質
盃と共塗か、盃が朱塗のときは、
多くは、黒塗を用いるようです。
一般的に用いられているのは、
黒塗で無地の利休形みたいです。
他に、溜塗や桑木地・黒楽・
青楽金入のものもあるそうで、
縁の形も円のほかに輪花・糸巻などもあるとか。
陶磁器の発達にともない、
やきものの盃台が現れるようになったそうです。
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