2018年5月31日木曜日
NO.161 茶道 箱の縛り方ほどき方
古来、日本では、囲炉裏において鍋や釜で煮炊きをするとき、
自在鈎と五徳のいずれかを用いたそうです。
初期の五徳は三本足で、環を上にして用いたみたいです。
これは古くは竈子(くどこ)と呼ばれたもので、
古代の鼎(かなえ)に由来するもののようです。
鼎というのは、なべ型の胴体に中空の足が3つ付き、
肉・魚・穀物を煮炊きする土器として使われたみたいです。
現代でもよく知られる形状の五徳は、
桃山時代、千利休の指導下、
茶釜などの開発に当たった釜師たちによって生み出されたそうです。
茶道の始まりと共に室内で用いる小型の炉「風炉(茶炉)」が現れ、
竈子(くどこ)を従来とは逆向きに設置し、
爪を上にして使うようになったみたいです。
この過程で「くどこ」の読みも逆さまにされ
「ごとく」と呼ばれるようになったとのこと。
「五徳」は当て字だそうです。
材質は基本的に主に鉄で、稀に真鍮や銅で作られているようです。
ただ、太平洋戦争中など金属の不足が深刻であった時代には、
陶器製も多く作られたのだとか。
囲炉裏では鍋や鉄瓶を火にかける際、
五徳か自在鈎のいずれかが必須みたいです。
開発されて間もないころは、様々な形のものがあったようで、
釜師・辻与次郎の手によって、
「まむし頭」「長爪」「牛爪」「方爪」
などといった爪を持つ五徳が作られたのだとか。
五徳が開発されるまでは、切掛や透木を用いていたそうです。
NO.160 柄杓の合ってこんなの
柄杓の名前は、水をすくうための瓢箪を指す「ひさこ(ひさご)」が「ひさく」になり、
「ひしゃく」に転じたもので、「柄杓」は当て字みたいです。
広義には、水や汁物をすくうための柄杓の形をした道具全般を指して、
木製・竹製・金属製・プラスチック製などいろいろあるようですが、
点前に用いるものは竹製のみだそうです。
■柄杓の形
柄杓の形には、以下のようなものがあるそうです。
○合に柄を取り付けた部分
月形(つきがた):月形になっているもの。
差通(さしとおし):柄が合の中まで突き通しになっているもの。
○切止の部分
風炉用:身の方を斜めに削いである。
炉用:皮目の方を斜めに削いである。
○合の部分
風炉用:合が小さい。
炉用:合が大きい。
■柄杓のサイズ
現在、点前で使用されている柄杓は、以下の大きさのようです。
○風炉の柄杓
合径:一寸七分半~一寸八分半
柄の節上:五寸八分
柄の節下:五分五分
○炉の柄杓
合径:一寸九分~二寸
柄の節上:五寸七分
柄の節下:五寸五分
○差通の柄杓
合径:一寸八分~一寸八分半
柄の節上:五寸八分
柄の節下:五寸五分
NO.159 茶碗の拭き方ってこんなの
ここでは「茶筅通し」についてひと口。
茶筅通しには、穂先を湯に馴染ませ柔らかくして折れにくくする効果があるそうで、
最初の茶筅通しは、軽くサラサラとお湯に馴染ませるようにすれば良いみたいです。
戻ってきた茶碗に対する茶筅通しは、茶碗と茶筅を同時にすすぐため、
茶筅の穂先に付いたお茶を落とすようにして振るのだそうです。
点てる前を「茶筅湯じ」、点てた後を「茶筅濯ぎ」と呼んで区別することもあるのだとか。
茶筅を上下するのは、穂先を目前で改めて折れや汚れのないことを確かめる意味があるそうで、
予め水屋で穂先が折れていないかを確かめ、次に軽く水にくぐらせ清め茶碗に仕組んだものが、
問題ないかを、改めて確認するようです。
茶筅を茶碗の縁で軽く音を立てる動作は、
真言密教の灑水(しゃすい)の礼に由来した浄(きよ)めの意味があるのだそうです。
ちなみに、灑水(洒水)というのは、密教の儀式を行う前に道場や法具などに香水(こうずい)をかけ、
煩悩や穢れを浄めることだそうです。
NO.158 茶巾の準備ってこんなの
利休百首95に「水と湯と茶巾茶筅に箸楊枝 柄杓と心あたらしきよし」とあります。
これと同じ考え方で、久須見疎安著『茶話指月集』に以下のような逸話があるそうです。
ある田舎の侘び茶人が利休のもとへ一両の金子を送って
「何でも結構ですから、茶道具を買っていただけませんか」
と依頼してきました。
そこで、利休はそのお金一両全部で白布を買って送りました。
そして、
「侘びというものは、何はなくとも茶巾さえきれいであれば茶は飲めるものです。」
と言い添えました。
NO.157 洗い茶巾ってこんなの
■平茶碗
平茶碗でお茶を点てると、
通常の茶碗に比べて空気に触れる面が広い為、
抹茶が冷めやすいみたいです。
そのため、夏の季節によく使われるようです。
■洗い茶巾
点前の中に「洗い茶巾」という、
酷暑の頃に行う薄茶点前の趣向があり、
そこでも、平茶碗を使い、
涼感を演出するようです。
平茶碗に、水を七分目ほど入れ、
茶巾の端と端との対角線を取って二つに折り、
その端を茶碗の右方に少し出して、
その上に茶筅を仕組むのだとか。
しぼり茶巾ってこんなの
■筒茶碗
筒茶碗を使った点前の特徴は、
茶筅通しと茶巾の使い方と、
左横に立てかけて茶杓・茶筅を仕込むことでしょうか。
茶筅通しの場合は、
お茶を点てるお仕舞いの茶筅通しの時、
茶碗をかたむけるそうです。
茶碗を拭くときも、
茶巾を人差し指と中指とではさむようにして、まず底を拭き、
茶碗のふちにかけて、いつものように三度半拭いたあと、
茶巾を茶碗からはなさず、下において、
茶巾をはなして、上部をすこし折って、釜の蓋の上に置くみたいです。
これは、いつもの茶碗の拭き方のように、縁から先に拭くと、
底を拭くとき、指や手先が、茶碗の内部にふれるからなんだそうです。
しぼり茶巾という扱いも特徴で、
茶巾を水屋でしぼったままの姿で茶碗に入れ、
釜の蓋をあけると、それを横一文字に蓋の上に仮置きして、
茶碗に湯を入れ、茶筅を茶碗に入れて、そのままにしておき、
茶巾をとって、いつものようにたたみ、蓋の上に置き、
茶筅通しをするそうです。
これは、筒茶碗は寒い時に使用するので、
茶巾をたたむあいだ、湯が入っているから、
茶碗が少しでも温まるのだとか。
利休百首22に
「筒茶碗深き底よりふき上がり 重ねて内へ手をやらぬもの」
とあるようです。
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